今回は、第9章「近江八景ヱハガキ探訪」コーナーの紹介です。
このコーナーの内容は、近江八景の絵葉書を一斉に並べてみようというものです。
博物館には、大津市内の古い写真がたくさん収蔵されています。これらは現在、デジタル化や内容の分析などの整理が終わったものから順次、展覧会や大津歴博HPの「大津の古写真」などで公開しています。
「大津の古写真」は最近リニューアルして、見やすくなりました!!
今回の展示では、これらの古い写真をたくさんご覧いただこうと考えたのですが、せっかくなら、なにかテーマがあった方が良いだろうと思い、近江八景の写真絵葉書をテーマにしました。
大正・昭和のお土産物の定番のひとつは「絵葉書」でした。
美しい風景が記録された絵葉書は、旅先での思い出の記録として、もってこいだったためか、全国各地の観光地はほぼ絵葉書の中に収めれれています。
そして、大津・滋賀の定番の絵葉書集といえば、近江八景でした。今回の展示にあわせて、博物館に収蔵された近江八景の絵葉書を整理したところ、60種500枚の以上が確認できました。また、時代も明治末ごろから昭和にかけて、途切れることなく作り続けられていたことが分かりました。
今回は、この膨大な絵葉書を手掛かりに、近代以降の近江八景のそれぞれの風景が、どのように変化したのかを読み解いてみようという試みです。整理を始めた当初は、近江八景の写真絵葉書は、どれをみても同じようにしか見えませんでしたが、整理を進めるとともに、違いや面白さが分かってきました。
例えば「唐崎夜雨」。
どの絵葉書も「唐崎の松」を写真に取り上げているわけですが…
江戸時代、歌川広重も描いた二代目「唐崎の松」は、明治以降には徐々に樹勢が衰え、大正10年に枯れてしまいます。
絵葉書をじっくり整理すると、
絵葉書2枚継ぎで作られた、明治末ごろの堂々とした松から・・・
徐々に枯れていく様子。
枯れてしまった松。
周りの枝が徐々に少なくなる様子
というように、衰えてゆく松の様子が、絵葉書を並べると克明に分かります。
また、二代目「唐崎の松」が、現在の三代目の松へと代替わりをする様子も絵葉書をひも解くことことができます。
そのお話は展示で…
こんな感じの少しマニアックな内容ですが、この調子で近江八景すべての風景を紹介しつつ、絵葉書や古い写真の年代特定の方法なども交えて紹介しています。
一見、同じように見える資料も、数が多く集まると、各々の違いが徐々に見えるようになります。
こういった、資料を調査分析する楽しさの一端もご覧いただけるようにも工夫していますので、是非ごらんになってください。
ちなみに、
4月16日のれきはく講座では、たっぷりと近江八景ヱハガキについてお話します。事前申し込み要ですが、こちらもお待ちしております!!(きづ)