看板考現学3

otsu-rekihaku

2010年02月09日 09:00

今回は、少しおもむきを変えて、看板ではなく、
石でできた道しるべ、「道標(どうひょう)」を使ってみましょう。

江戸時代の旅人は、分かれ道にさしかかると、このような道標を見て、
そこに書かれた(刻まれた)文字(地名)を読んで、
右なのか、左なのか、まっすぐ行くのかを判断していました。
ですから、旅人は、この文字が当然読めました。
では、下の写真をご覧ください。


 写真1


 写真2

この文字は、前2回にくらべて、少し手ごわいと思います。
二つとも、もとの文字は漢字ですが、くずし字になっていて、
変体仮名として読む文字です。

とくに写真1は、変体仮名のなかでも難しい部類の文字です。
それと、くずし字ですので、上の文字からの筆の流れの一部が
写真に写っていると、お考えください。


解読できましたか?
下の2枚の写真は、ヒントです。


 写真1(ヒント)


 写真2(ヒント)

この2枚の写真には、滋賀県下(大津市周辺)の地名が刻まれています。
古文書の解読の場合、人名や地名などの固有名詞は、
知っていれば想像で読めますが、知らないと、かなり上達した人でも
読めないものなのです。

さて、お分かりでしょうか??

ついでに、道標全体の写真を、下に入れておきました。


 写真3

たくさんの文字が、道標に刻まれているでしょう。
でも変体仮名に慣れていない現代人は、
親切な道標があっても、道に迷うばかりですよね。

さて、回答ですが、
写真1は、「多」という文字の草書体を極端にくずした文字で、「た」と発音します。
写真2は、「川」という文字の草書体を少しくずした文字で、「つ」と発音します。

そうですよね。
写真1(ヒント)は「せた」とありますので、「瀬田
写真2(ヒント)は「くさつ」と書いてあり「草津」です。

ちなみに、写真3の向かって右側は、
「左 いし山 せた」

つまり、石山と瀬田に行くには、ここを左に曲がってくださいという意味です。
では、向かって左側には、なんと書いて(刻んで)あるでしょうか??
回答は、次回でお教えします。
ヒント いずれも大津市内の名所です。

                                    (学芸員ひづめ)


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