「石山寺と湖南の仏像」の仏像紹介 第10回

2008年08月14日

仏像紹介第10回目 今回は石山寺に伝来の重要文化財木造二天立像のうちの一体です。

「石山寺と湖南の仏像」の仏像紹介 第10回

本像は平安時代後期の優美な天部像です。現在2体伝わっていて二天と呼ばれていますが、四天王であったかもしれません。

特にすばらしいのが、截金(きりがね)です。截金は、金箔を4~5枚重ねたものを竹の包丁で切って、文様として貼り付ける技法です。本像には様々な形の文様が表されています。

特に面白いのは、金の截金だけでなく、銀箔による文様(あられ文)も使用されています。
「石山寺と湖南の仏像」の仏像紹介 第10回
四角く、黒っぽいものが銀箔です

さらには、截金による細い線の中には、銀の上に金がのっているものもあり、金銀あわせ箔による截金と考えられます。これは、金のみのものよりは明るい発色を期待したやりかたと想像されます。平安時代の遺例では珍しいもので、近くでは比叡山延暦寺横川中堂の本尊、聖観音立像に見られる程度です。

「石山寺と湖南の仏像」の仏像紹介 第10回
見えづらいですが、斜めにクロスして見える線が、金と銀のあわせ箔です。

金箔と銀箔と、金銀箔の3種類の箔の演出によって、本像は煌びやかに装飾されていたのです。(てらしま)

※展示室は作品保護のためにやや暗くしてありますので、ご来館の際は懐中電灯を持参していただき、照らしてみてください。




タグ :石山寺展

同じカテゴリー(展覧会)の記事画像
企画展「膳所城と藩政」開催中です!
企画展「大津の都と白鳳寺院」が開幕しました!
瀬田の古い写真を展示します!
企画展「田上てぬぐい‐暮らしと文化‐」とおもちゃづくりワークショップ「田上製作所(タナカミファクトリー)」展開催中です!
旧志賀町の古写真を大幅増量‼
志賀町・大津市合併10周年記念展「村の古地図-志賀地域を歩く-」スタート
同じカテゴリー(展覧会)の記事
 企画展「膳所城と藩政」開催中です! (2018-03-13 14:28)
 企画展「大津の都と白鳳寺院」が開幕しました! (2017-10-07 09:00)
 瀬田の古い写真を展示します! (2017-09-01 16:30)
 企画展「田上てぬぐい‐暮らしと文化‐」とおもちゃづくりワークショップ「田上製作所(タナカミファクトリー)」展開催中です! (2017-08-10 15:51)
 旧志賀町の古写真を大幅増量‼ (2017-03-17 16:25)
 志賀町・大津市合併10周年記念展「村の古地図-志賀地域を歩く-」スタート (2017-03-04 12:40)

Posted by otsu-rekihaku at 17:34 │ 展覧会