企画展「車石ー江戸時代の街道整備ー」

2011年07月07日

車石(くるまいし)研究会報告1

まだちょっと先の話ですが、
歴史博物館では、平成24年3月3日(土)から4月15日(日)まで、
「車石(くるまいし)-江戸時代の街道整備ー」と題した企画展の開催を計画し、
現在、鋭意その準備を進めています。

「車石(くるまいし)」という言葉は、あまり有名ではないかもしれませんね。
江戸時代、
大津港で集荷された大名の年貢米などは、
牛車(うしぐるま)に載せて、京都まで運ばれていましたが、
重い米俵などを載せた牛車の車輪が、ぬかるんだ土道(つちみち)に入り込んでしまい、
車の通行が非常に難しかったのです。

そこで、平らな石を、牛車の両輪の幅に合わせて二列に並べ、
通行の円滑化を図りました。
ただ、長年に渡る牛車の通行によって、
敷かれた平たい石の表面が磨り減り、車輪の跡が残されました。
そういった石が、いつの頃からか、「車石」と呼ばれるようになったのです。

現在、京都・大津間の旧東海道沿いの各所に、
車の轍(わだち)跡がついた石が残されています。

企画展「車石ー江戸時代の街道整備ー」
写真1 大津追分・閑栖寺(かんせいじ)さんの門前に保存された車石
(また同寺境内には、当時のように二列に敷いた車石も復元されています。後日紹介します)

実は、それらの「車石」には、数多くの謎が秘められているのです。
このブログで、順次解説をしていきたいと考えていますが、
とにもかくにも、それらの謎の解明を、現在がんばって進めているところです。

なお、この車石調査は、
大津市歴史博物館と、大津市・京都市の市民の皆さんによって結成されている
「車石・車道研究会」が協力して行っており、
来年3月からの企画展「車石(くるまいし)」も、協力して開催します。
そのため毎月、
企画展の開催に向けて、熱心な研究会や現地調査を実施しているのです。

企画展「車石ー江戸時代の街道整備ー」
写真2 車石研究会の一コマ
(大津から京都までの地図をつなげて、車石のルートを紹介しようかと皆で悩んでいるところです)

それらの調査のなかで出てきた疑問や、現地調査の様子(すでに完了したものも含めて)を
順次紹介しますので、ご愛読いただければ幸いです。
                                        (学芸 O.H)



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Posted by otsu-rekihaku at 17:18 │ 展覧会