れきはく講座第500回「壬申の乱と大友皇子」開催

2011年08月24日

去る8月20日(土)、れきはく講座第500回記念として
「壬申の乱と大友皇子ー天智天皇のめざしたものー」と題する
講演会を開催しました。
講師には、京都産業大学名誉教授・京都市歴史資料館館長の
井上満郎先生をお迎えしました。
当日の講座ですが、申し込みが300名を超え、
やむをえず抽選をさせていただきました。落選された方には
申し訳ありませんでした。
なお、当日の参加者は152名でした。

講座では、『日本書紀』の編纂上の政治的意図を分析され、
後の天武天皇(大海人皇子)など、朝廷側からの視点で記述されているため、
壬申の乱で勝利した大海人皇子側の視点から編纂されていること、
たとうば、壬申の乱は大友皇子側(近江朝廷側)から仕掛けられたものと考えられているが、
果たして事実はそうであったか、
戦前、太政大臣に就任していた大友皇子の立場を分析されるなかで、
壬申の乱の勃発の経緯を改めて考え直すことが必要ではないかと提示されました。


れきはく講座第500回「壬申の乱と大友皇子」開催
写真 講義をされる井上先生

また天智天皇と、息子の大友皇子の政治を
当時の外交関係の視点から分析するなかで、
大津京の飛鳥からの遷都にどのような意味があったのかを、
論じられました。

時間が1時間半と限られているため、
後半の外交問題に限った講演を、あらためて聞きたいといった参加者からの声もありました。

大津京の問題は、大津市の歴史にとっても重要な論点であり、
今後とも、井上先生にはご研究の成果を発表していただく機会があればと
担当者として勝手な願いを持っております。

レジメも詳細に渡りましたが、
熱心にお聞きいただいた参加者の皆さん、
また短い時間のなかで熱弁をふるっていただいた井上先生に
あらためてお礼申し上げます。
(担当学芸O.H)


同じカテゴリー(れきはく講座)の記事画像
れきはく講座現地見学会「堅田古絵図ツアー」
れきはく講座「江戸時代の堅田と居初家」を開催しました
れきはく講座「大津百町の古文書を読む」
れきはく講座~道の名前と近江学~
れきはく連続講座「古代日本の都」
企画展「車石」現地見学会第2弾開催
同じカテゴリー(れきはく講座)の記事
 れきはく講座現地見学会「堅田古絵図ツアー」 (2013-10-06 09:58)
 れきはく講座「江戸時代の堅田と居初家」を開催しました (2013-09-22 10:20)
 れきはく講座「大津百町の古文書を読む」 (2012-12-26 15:15)
 れきはく講座~道の名前と近江学~ (2012-06-06 16:31)
 れきはく連続講座「古代日本の都」 (2012-05-22 10:55)
 企画展「車石」現地見学会第2弾開催 (2012-04-05 17:45)


Posted by otsu-rekihaku at 08:07 │ れきはく講座