第九連隊軍隊生活絵はがき・ミニ企画展「大津・戦争・市民」

2011年07月31日

シリーズ「大津・戦争・市民」 第3弾

今回は、陸軍歩兵第九連隊の軍隊生活を撮影した絵はがきを紹介します。
この絵はがきは、九連隊出身の方からご寄贈いただきましたが、
九連隊の兵士が家族に近況報告をするときや
ご家族の方々が面会に来られたときに購入されたものだと思います。

第九連隊軍隊生活絵はがき・ミニ企画展「大津・戦争・市民」
写真1 軍隊生活実写絵ハガキ袋

袋の表に印刷された高田真心堂は、
以前は琵琶湖疏水の近くにお店がまだありました。
私の記憶している場所と
戦争当時の場所がひょっとして違うかもしれませんが、
九連隊のえはがき制作を請け負っておられたのでしょう。

さて、九連隊といえば、京都の連隊だと記憶されている方も多いのではないでしょうか。
「またも負けたか八連隊、それでは勲章九連隊(くれんたい)」という歌を
私も子どものときに大人の人から聞かされたことを記憶していて、
そのときの八連隊は大阪、九連隊は京都にあり、
「大阪と京都の連隊は弱かったんや」って話してくれたのを覚えています。
ただ、第九連隊は明治10年の西南戦争に従軍していますが、
戦死者は東京の連隊に次いで2番目に多く、
その勇猛ぶりは三井寺観音堂裏山の
西南戦争記念碑にも記されています。

九連隊は先号のブログでも説明したように、
明治8年(1875)、大津別所の地に駐屯しましたが、
大正8年(1919)、軍縮政策の影響で
第三大隊を残して京都の伏見第16師団に編入されました。
残された第三大隊も、昭和9年(1934)に満州に派遣されてから
大津には戻ってこなかったのです。
そんな歴史があるので、九連隊は京都という意識が残っているようです。

第九連隊軍隊生活絵はがき・ミニ企画展「大津・戦争・市民」
写真2 就寝風景

第九連隊軍隊生活絵はがき・ミニ企画展「大津・戦争・市民」
写真3 食事風景


絵はがきは、その第三大隊のもので、
内務班での就寝風景や食事風景などが写されています。
今となっては貴重な資料となってしまいました。
                              (担当学芸 O.H)





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Posted by otsu-rekihaku at 16:39 │ ミニ企画展